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〈第1回〉 都会ビルの植栽に樹木が届くまで

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トラックに積み込まれ、東京に向けて出発します
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手間がかからず育てやすいシマネトリコ。ツヤのある緑の葉がさわやか
 一般に植木屋さんというと、脚立に上り、はさみをパチパチと庭の手入れをする人というイメージですね。私たち日本植木協会の会員は、植物の種をまいたり、挿し木をしたりして苗を育て、何年もかけて大きく育てる仕事をしています。私たちも「植木屋さん」です。植木を育てている「植木屋」が、これから毎月それぞれ違った題目で、植木とはなんぞや、どこで誰がどのようにして作り、運ばれ、植えられている か、またその魅力を紹介します。ぜひお付き合いください。
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大都会に次々に建設される高層ビルや、マンション。最近ではスカイツリーなどがありますが、その周りには必ず植物が植えられています。小さなものでは、高さ数cmの地面を覆うようなものから、高いものでは、10mを超える大きな樹木まで様々です。 その10m以上の樹木はどこからやってきたのでしょう?
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特に大都市では、開発を行うときに、その場にあった大きな樹木を簡単に切ってしまいません。残そうとその樹木の位置に合わせて、建物を設計したり、また敷地内で植え替えを行ったりします。運べないような大きさの樹木が植えられている場合は、この方法によるものです。
△匹海から運んで来て植えられた
このどこかから運ばれた樹木を育てたのが、私たち「植木屋」です。
最近は、シマトネリコという木がよく流通しているので、その木を例にお話しします。
ここは東京の高層マンション。目の前に10mの高さのシマトネリコが植えられていると想像してみてください。この木も何十年か前にまいた一粒の種から大きくなったものです。 それではどこで誰が育てたものなのでしょうか?
シマトネリコは、亜熱帯から熱帯に分布する寒さに弱い樹木です。東京では種をまいても冬の寒さで苗が枯れてしまいます。そのため東京より南、主に九州は鹿児島の植木屋が育てています。鹿児島で育ったシマトネリコは、枯れないように根に土をつけた状態で掘り上げられ、大型のトラックに積み込まれ、東京まで運ばれます。植栽現場に着くと、造園業者がクレーンを使って下ろし、植え込みます。
これはほんの一例ですが、1軒のマンションの植栽で使われる植物は、日本国中の植木屋から集められています。日本中で様々な種類の樹木が育てられていますが、基本は適地適作です。
適地適作で作られ、製品になったものが、日本各地から大消費地東京に送られているのです。
そのため、日本各地の植木屋と情報を共有し、植物を日本中から集めることも「植木屋」の仕事の一つとなっています。
私たちの仕事は、種をまくことから始まります。何年か、何十年か先に売れるかもしれない、いや売れて欲しいと願いながら種をまいています。どの樹木の種を今まくべきか、選ばなくてはなりません。そういう意味で「植木屋」は、もっとも先のトレンドを読む仕事といえるかもしれません。

(株)大西屋〈愛媛県〉 西坂哲紀




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